「ネジが外れて中でコロコロしているんですけど…」
これは時計販売をしていた時に、裏スケの機械式時計の修理相談をされた話しです。
不思議な機械式時計
ある日、店頭でお客様から、
ーー「時計は止まっていないのですが、裏にネジが外れてコロコロ転がっているのですが、直りますか?」って時計を見せられました。
私は「少し見せていただけますか?」と答えて見せてもらいました。
それはノーブランドの裏スケ機械式時計でした。
じっさいに裏側のガラスからネジがコロコロ転がっているのが見えましたが、ローターに隠れてどこが外れているのかは見えませんでした。
お客様に「オーバーホールになる可能性が高いのですが、お預かりしましょうか?」と答えてみたものの内心は金額が見合わないかなーと考えていました。
するとお客様は「お願いします」と修理依頼をされました。
そして2週間ほどして修理センターから連絡がありました。修理センターの方は少し不思議そうに「ネジは取りましたが、外れている箇所が見当たらいないんです…」と言うのです。
そうです、外れているネジは有るけど、ネジが入っていないネジ穴が見当たらないのです…。
ネジだけ間違いで入っていたのか??
私もこんなケースは初めてで、お客様に何と回答すればいいか困ってしまいました。
その後、1週間ほどでお店にその時計が戻ってきました。
お客様に修理センターからの話しをそのままお話しすると、電話の先で「金額が金額だから仕方ないね」と笑っていました。
お客様が言うには、「気にしていなかったので、最初からネジが有ったかは覚えていない」とのことでした。
お話を聞くと海外で1万円くらいで買ったようです。でも革ベルトは国内メーカーの高級な市販品に交換してあり大切に使っている感じでした。
このように大切に使われている時計を見ると、何だかうれしくなったことを覚えています。
時々変な時計はある
じつは時々なんですが、変な時計(不良品)が入荷してくるケースもありました。
ちゃんと検品されているハズなのですが、どうしても人間のすることなので間違いはあるようです。例えば、秒針が外れている時計とか、ベルトが上下逆に付いていたこともありました。
また不良品などではないのですが、20年ほど前はソーラー時計が充電不足で入荷することはよくあり、入荷した時計が全て充電不足で止まっているなんてこともありました(笑)
最後に
時計には精密部品が詰まっているのですが、ネジが中でコロコロ転がっていてもちゃんと動くこともあるんですね…ビックリしました。
コメント
小三治のネタじゃん
ぴん様
コメントありがとうございます。
そんなネタがあるんですね!