腕時計の電池交換は誰でもできるような簡単な時計から、メーカーでの電池交換指定されている時計まで様々です。
これから自分で電池交換をしようとする初心者の方に電池交換の基礎を解説します。
まずは、あなたの時計のタイプを把握しましょう。
時計の種類を知る(機械式、クォーツなど)
腕時計には大きく分けて2種類のタイプに区別できます。
- 「機械式」:自動巻きや手巻きと言われるゼンマイを動力とする時計。
- 「クォーツ(電池式)」:クォーツ、ソーラー、電波時計など電池で動く時計。
(注意:ソーラー発電タイプにも中に二次電池という電池が入っていますが、二次電池は個人では交換できません)
ーー「機械式時計」
機械式時計はゼンマイのほどける力を利用して動いています、自動巻きは腕の動きを利用してローター(中の重り)が動くことでゼンマイを巻き上げています。手巻きは自分で竜頭を回して直接ゼンマイを巻き上げる方式。
ーー「クォーツ時計」
クォーツ時計は水晶振動子に電圧をかけ振動させて針の動きを調節する仕組み。安価で高精度な時計が作れるのがメリット。
電池交換が必要?
あなたの使っている時計が電子式なのか機械式時計なのか分からなければ取り扱い説明書やインターネットで調べるのが一番確実ですが、ほとんどは秒針の動き方、竜頭を回す、文字盤を見ることで判断できます。
まずは機械式かクォーツか見分ける
1「秒針の動き方を見るポイント」
最初は秒針の動きを見ましょう、連続運針という動き「チチチチ」と言われるような滑らかな動きであれば機械式と考えていいでしょう。
では、電池式は?基本的には1秒ごとに大きく「カッチ、カッチ」という動きをしています。
ポイント!:秒針が1秒おきに動いていればクォーツ時計と考えれます。
(例外的に、電池式で連続運針タイプが在りました。現在はほとんど販売されていません、掛け時計は現在も連続運針タイプが多いです)
2「竜頭を回してみるポイント」
竜頭を引かずにそのまま回してみてください。
機械式は竜頭でゼンマイを巻き上げるコトが多いので、竜頭を回すと抵抗があり「ジジジ」という感じの手応えがあります。(手巻き機構が無い自動巻きの場合は空回りします)
ポイント!:クォーツ時計は竜頭が空回りをするので抵抗感がありません。
注意:ダイバーズウオッチなどは竜頭がねじ込みタイプの場合はねじ込みロックを解除してから回してください。
3「文字盤を見るポイント」
文字盤を見てみると機械式は「automatic」「mechanical」
クォーツは「Quartz」
ソーラー発電タイプは「soler」「Eco-Drive」などの表記がある場合もあるので、文字盤もしっかり見て確認してください。
ポイント!:ソーラー発電と電波時計は間違って電池交換をしないように文字盤のどこかに表記してある場合が多い。
最近はデザインを崩さない為に普通のクォーツ時計はQUARTZと表記はしなくなりました。
この3点を確認すればまず間違いなく判断できます。
「機械式」「ソーラー発電」の時計を間違えて、裏ぶたを開けないように気をつけてください。
ソーラー発電が主流の電波時計も電池交換はできません。
(電池タイプもメーカー交換指定です)
電波時計とは:福島県、佐賀県の標準電波送信所から発信されている電波を利用して時間のズレを自動補正する時計。
防水時計でも自分でできる?
防水時計でも種類が大きく分かれているので一概には決めれませんが、5気圧防水までは自分で電池交換しても大丈夫でしょう。
大きく分けて説明すると、
- 「生活防水」:2~5気圧防水(水仕事や釣り、ヨットなどの水上スポーツなど)
- 「生活強化防水」:10~20気圧防水(水上スポーツから水泳、素潜りまで可能)
- 「空気潜水用防水」:100m~200m防水(スキューバダイビングまで可能)
- 「飽和潜水用防水」:200m~1000m防水(深海の潜水にも使用可能)
と大きく4タイプにできます。
個人での電池交換は、1の生活防水までにしましょう。
しかし、防水性能が無くなってもいいなら2の生活強化防水までは可能でしょう。3、4は個人では電池交換をせずに時計店に電池交換を依頼してください。
(自分で電池交換をする場合は防水性能が落ちると考えず、防水検査が出来ないので防水性能が無くなると考えましょう。)
個人で電池交換できる基準
- クォーツ時計(ソーラー発電、電波時計以外)
- 10気圧防水以下の時計(水泳などする場合は時計店で電池交換しましょう)
- 時計のケースが標準的なデザイン(ビーズやガラス素材の装飾がある時計は作業中に壊れる可能性が有るのでやめましょう)
この3点に当てはまれば、初心者の方でも落ち着いて作業すれば電池交換はできると思います。
電池交換に必要な工具
電池交換には工具が必要なります。
基本的な工具
- 裏ぶたこじ開け工具
- 精密ドライバー
- ピンセット
- スクリューバックオープナー
- 時計固定器
この5種類でほとんどのタイプの電池交換ができます。自分で交換する場合は安価な工具でも良いので、そろえておきましょう。
「基本的な工具の一例」
あとがき
まず時計のタイプを判断できるようになりましょう。
クォーツでも自分で電池交換可能な時計、電池交換不可の時計もあるので注意してください。
自分で電池交換をした場合は防水検査が出来ないのでダイバーズウォッチだとしても防水性能は無くなったと考えて水に注意してご使用してください。
時計用ボタン電池の解説や電池型番対応表はこちら「腕時計のボタン電池について【電池対応表】」
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