板バネ方式のベルト調整方法は簡単なのですが、ときどき激ムズな場合があります。
板バネ調整時のトラブル対処方法を紹介します。
調整中に、どうしても板バネが抜けなくなっているあなた!
安心してください!マイナスドライバーと先の細いラジオペンチで固い板バネも外せます!
トラブル対処方法工具
- マイナスドライバー(精密ドライバー)
- ラジオペンチ(先が細いペンチ)
- クロス(メガネ用クロスなど)
- ハンマー(時計工具など)
- ピン抜き台(時計用万力など)
注意:あまりに細い精密ドライバーは曲がってしまう場合があります。
少ししか出ない場合
本当に少ししか出てない場合は、無理やりペンチで抜こうとしても上手く挟めません。
こんな場合は、板バネとベルトにすき間があるか見てください。少しでもすき間があればドライバーを使えば抜けます。
ドライバーをテコにする
すき間にドライバーを差し込んで、テコの力を利用して引き上げる。
コツは、一気に引き抜こうとせずに、少しずつゆっくりと引き上げることです。
一気に力を掛けると、板バネが曲がってしまう恐れがあるので注意してください。
途中で止まって動かない場合
1番困ってしまうのが半分くらい出て動かなくなるケース。
途中で動かなくなるとハンマーで叩いて戻そうとしても斜めに入ったり折れ曲がったりしやすいからです。さらにコマの端がベルトから離れている為にドライバーでテコをかけようとしても上手くいきません。
この場合でも、ラジオペンチの先がコマのすき間に入れば引き抜けます。
ペンチの開く力を利用する
これは、私が緊急時に必ずしていた対処方法です。
ペンチで挟んで抜こうとするときはベルト本体を強く固定しなければいけなく上手くいかない場合が多いのですが、この方法はすき間にペンチの先を差し込み開く力を利用するだけで簡単に抜けます。
本当に簡単に抜けるんです!
無理やり板バネを抜いていくとベルトパーツが開いて壊れていく場合があります、その時にこの方法を使えばベルトに対し1方向にしか引っ張る力がかからないのでベルトが壊れていくのを防げます。
戻す時に板バネが入らない場合
これは時計用万力やピン抜き台に固定して叩き入れる時に起こりやすいトラブル。
原因のほとんどはベルトが固定台の中で曲がってしまっているからです。だから板バネが入っていきません。
対処方法はベルトを固定台から外し、ベルトをまっすぐに揃えて固定台の上で板バネを叩き入れる。
コマをきれいにそろえる
固定台の上でコマを真っすぐに整えて持ち、板バネを叩き入れる。
板バネが留まらなくなった
板バネを無理に抜いて、戻したら板バネが留まらなくなってしまう場合はベルトが変形している可能性があります。
原因は抜くときに千枚通しでベルトのすき間を広げてしまった失敗がほとんど。
ペンチで調整する
板バネを抜いてから、ペンチでコマの端をすこしだけ挟んで調整してください。キズを付けないようにクロスの上から挟みましょう。
板バネのすき間も出てこない場合
どうしても板バネのすき間も出てこないときは違うコマで試してください。それでもダメなら、あきらめて時計店で調整してもらいましょう。
板バネが本当に固く外れないときはベルトや工具を破損してしまう恐れがあるので無理をしないでください。
板バネは無理をするとベルト本体が壊れてしまう恐れがあるので注意が必要。力ずくではうまく調整できません。
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