【ケースが錆びたら本当に大変ですよ!!】
腕時計が好きで日頃からお手入れをしているってひとでも「時計を外したときに時計全体をサッと拭いている」ってくらいではないでしょうか。
もちろんそれだけでも十分なのですが、もし一生モノとして大切にしたい腕時計なのであれば”錆び対策”としてのお手入れをプラスすることをおすすめします。
今回は元時計屋の経験から錆びやすい部分とその掃除方法をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
「ステンレスも錆びる」ことを知ってますか⁉
ステンレスは錆びないと思っているひとも多いと思いますが、じつはステンレスも錆びるんです…。
錆びる原因としては、汗やよごれが溜まっている場合がほとんど。
ステンレスの成分は鉄・クロム・ニッケルなどですが、この中のクロムが空気などに触れることで、ステンレススチールの表面に薄い被膜 (酸化被膜または不動被膜) を形成して錆びの発生を防いでいるのです。
なので腕時計のケースやブレスの表面がつねに酸素に触れる状態しておくことがとても大切。
出典:seikowatches.comより引用
錆びを発見したら自分でケアできる?
錆びは表面だけ研磨しても内部で成長している場合があるので、本当に大切にしている時計なら迷わずに修理に出してください。
とくに裏ブタのフチに発生した錆びの場合は内部にも錆が発生している可能性が高いでしょう。
自己流で研磨したりして錆びを除去したつもりでそのまま使い続けると、いずれ防水性能が維持できなくなり最悪は非防水になってしまうことが考えられます。
そうなってしまうと夏や雨の日は着けられなくなるし、修理に出しても高額な費用をかけてケース交換するしかありません。
とにかく錆びは放置厳禁です!
腕時計を錆びさせない掃除方法
腕時計は直接肌に着けるモノなので、どうしても汗や皮脂汚れが溜まりやすくなります。
肌に触れる腕時計の裏には裏ブタの段差があったり、リューズと時計本体にもスキマがあり汚れが溜まりやすい部分となっておりとくに注意が必要です。
■腕時計掃除に使うモノ
・きれいなクロス(メガネ拭きなど)
・歯ブラシ(使い古しでOK)
・爪楊枝
・あればブロアー(写真用がおすすめ)
錆びやすい部分は『裏ブタのフチとリューズ』
■裏ブタのフチ
腕時計をセーム革やメガネ用クロスなどで拭いても、想像以上に汚れが残りやすいのが裏ブタのフチ。
ここは布などで拭くよりも使い古しの歯ブラシなどでブラッシングしてスキマに溜まった汚れをかきだすのが効果的です。
もし汚れが固くなってしまっている場合は爪楊枝などで掃除をしてからブラッシングをしましょう。
■リューズ
リューズは錆びて固着してしまうトラブルがとても多く、無理に回そうとして破損させてしまうケースもあるので日頃のメンテナンスが必要な部分となります。
リューズのスキマ掃除はブラッシングがおすすめですが、リューズを引いた状態では内部までホコリが入ってしまう可能性があるのでリューズは引かずに優しくブラッシングしてください。
またリューズの細かなミゾなどは爪楊枝で掃除すれば見違えるようにピカピカになります。
■メタルブレス
メタルブレスは錆びることはあまりありませんが、ブレスを繫ぐピンが錆びる場合があるので時々掃除しておくのがおすすめです。
はじめにメタルブレスの裏側から全体的にブラッシングをしてから、ブレスサイドにあるピン穴をブラッシングしてください。
ピン穴が汚れでつまってしまっている場合は爪楊枝で掃除してからブラッシングしましょう。
「雨でびしゃびしゃになった」そんな時はブロアーがおすすめ!
夏の台風やゲリラ豪雨などで時計が濡れてしまった場合はブロアーを使った掃除がおすすめ。
とくに回転ベゼルが付いたダイバーズウォッチやGMTモデルはベゼルのスキマに水分が残りやすく、水分と一緒によごれが溜まりやすくなってしまいます。
なのでスキマに残った水分をブロアーで吹き飛ばしておきましょう。
またメタルブレスのスキマやバックルの裏側など手の入りにくいところもブロアーを使うと、水分だけでなくよごれも一緒に吹き出すことができます。
あとがき
いぜん時計店で働いていて修理をお預かりすることが多くあったのですが、お預かりするときに時計の状態をチェックすると裏ブタのフチに錆がみられるケースが本当に多かったことを覚えています。
腕時計って買った直後はテンションが上がって綺麗にしておくのですが、何年も使っているとだんだんと荒い扱いになり掃除もほとんどしなくなるひとが多いと思います。
とくに夏場は汗や皮脂汚れが時計に付きやすくメンテナンスがとても大切になります。
腕時計の値段に関係なく錆ないように掃除をするだけで数年後の状態がまったく違ってくるでしょう。
でも毎日こまかな掃除をするのは面倒なので、普段はサッと拭くくらいで十分です♪
とにかくよごれを溜めたままにしなければOK!
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