【あなたの掃除方法は間違っているかも⁉】
腕時計は肌に直接着けるものなので汚れがつきやすく、その汚れがトラブルやサビの原因になることがほとんど。
なので、腕時計を長持ちさせるには日ごろの掃除がとても重要なんです!
今回は腕時計を長持ちさせる正しい掃除方法&おすすめグッズを元時計屋の私がご紹介します。大切にしている腕時計をいつまでも愛用できるように、ぜひ実践してみてください。
時計掃除の大切なポイント
大切な腕時計を長持ちさせる掃除のポイントはたった3つだけ。
それは、
2・汚れを拭き取りる
3・スキマを掃除する
この3つだけで日ごろのメンテはOK!
これだけで腕時計をトラブルから遠ざけることができます。
でも掃除する手順を間違ったり、やりすぎることで逆に時計に傷をつけてしまうこともあるので注意が必要です。
掃除する手順にそって詳しく解説していくのでぜひ参考にしてみてください。
掃除に必要なもの&あると便利なもの
まずは掃除するときに必要なもの、あると便利なものをご紹介します。
■必要なもの
- きれいなクロス(メガネ拭き・セーム革など)
- 歯ブラシ(使い古しが良い)
- つまようじ
クロスは皮脂汚れがとれやすいマイクロファイバークロス(メガネ拭き)やセーム革を選んでください。
歯ブラシは細かなスキマを掃除するのに便利。使い古しの方が適度に先が丸まっているので傷をつけにくいのでおすすめ。
つまようじは何ヶ月も掃除していないときには必要になりますが毎日の掃除には不要です。
■あると便利なもの
- ブロアー(カメラ用でOK)
- 時計専用クリーニング剤
メタルブレスやバックル(中留)などには手の届かないスキマが多くあるので、ホコリを吹き飛ばすことのできるブロアーがあると便利。
写真用の安いモノでOK!
最近は時計専用のクリーニング剤があり、洗浄するだけでなく傷をつきにくくするコーティング効果のある商品もあります。
★私が使っているもの(おすすめ)★
「ブロアー」⇒ジャンボハリケーン UN-1301
「クリーニング剤」⇒クリスタルガード・クロノアーマー
時計掃除の正しい手順を解説
では実際に掃除をしながら手順を解説していきます。
これは元時計販売をしていた私が実際にしている掃除方法です、ぜひ参考にしてみてください。
1.ホコリをはらってから拭き掃除
腕時計の掃除といえばクロスでの拭き掃除が基本になりますが、拭き掃除をする前に必ず時計表面にある細かなホコリなどをはらっておいてください。
その理由は、腕に着けている時計には皮脂や汗がついているので気がつかないうちに砂ぼこりなど硬いホコリが付着している可能性が高いからです。
もし細かな砂粒がついたままクロスなどで拭いてしまうと、砂粒をこすりつけることになり線キズを付けてしまうことになりかねません。
できればブロアーで時計全体のホコリを吹き飛ばすのがおすすめ。
ブロアーが無い場合はきれいなクロスで軽くはたいておきましょう。
拭き掃除をして自分で時計に傷をつけてしまったり、時計についていた砂粒に気がつかずにそのまま拭き続けると…ゾッとします。
そしてホコリがはらえたら皮脂汚れを残さないように時計全体を拭いていきましょう。
とくに拭く順番などはないので、汚れが気になるところを中心に拭いていけばOK。
拭いている途中でもときどきクロスを払っておいてきれいな状態にしておくことが大切です。
コレはダメ! そのまま拭き掃除をしてはダメ!
また掃除中はつねにクロスをきれいにするように心がけましょう。
2.時計裏側から優しくブラッシングする
表面が綺麗になったら汚れが残りやすい時計の裏ブタやメタルブレスのスキマなどの汚れも落としていきましょう。
これは毎日ではなく、週にいちどくらいでも全然OK。
時計専用として販売されているブラシが最適だと思いますが普通の歯ブラシでもかまいません。できれば使い古しの歯ブラシの方が毛先が丸まっているので傷をつけにくくおすすめです。
テーブルに汚れが落ちるので下にティッシュを敷いて時計裏側からやさしくブラッシングしてください。
とくに夏場などは雨や汗の水分と混ざってスキマに汚れがたまりやすいので念入りにブラッシングしましょう。
メタルブレスを丁寧にブラッシングすると滑らかに動くようになり着用感もアップするのでおすすめ。
それとプッシュタイプの中留は汚れで動きが悪くなるのでブラッシングするのが効果的です。
さいごに全体を拭きあげて汚れが残っていないかチェックして完了。
■できれば腕時計を手にもったままブラッシングをしよう
腕時計を下に置いてブラッシングすると落ちているゴミなどと擦れて傷がついてしまう可能性があるので、面倒ですが持ったままブラッシングする方が安心です。
コレはダメ! 表側のブラッシングはダメ!
3.最後にスキマ汚れのチェック
最後にリューズやプッシュボタン、裏ブタの刻印など細かなところをチェックしてみてください。
とくにガラスのフチや刻印のミゾには汚れが残っている場合が多くあるので、つまようじの先でなぞるように汚れを掃除しましょう。
ふだん見えませんが時計の裏側がピッカピカになると気持ちいいですよ♪
ダイバーズウォッチならベゼルのスキマやリューズのミゾなど手で操作するところが掃除ポイント。ここを綺麗にすると凛々しい輝きが戻ってきます。
クロノグラフはプッシュボタンの周辺に汚れがたまりやすいのでチェックしてみてください。
ただしリューズやプッシュボタンの根元をつまようじや先の尖ったモノでゴシゴシと荒く掃除すると防水不良などのトラブルの元になりかねません、リューズ部分はとくに注意しながらやさしく掃除しましょう。
コレはダメ! リューズを荒く掃除するとダメ!
腕時計をサビさせない方法は、たった1つだけ
私は時計販売をしていたときに修理の対応もしていたのですが、想像以上に多かったのはサビによるトラブルでした。
サビは内部のムーブメントに不具合をもたらすだけでなくリューズが固着して動かなくなったり、ケースにサビが出て防水機能がまったく無くなってしまうなど様々なトラブルの原因となっており修理不可となるケースもありました。
「一生モノ」と呼ばれる機械式時計でも、ムーブメントにサビが出てしまった場合はオーバーホールが高額になるでけでなく、ケース(時計本体)にもサビが発生して防水不良になった場合、ケース交換が出来ても修理費用がかなりの高額になってしまうことがほとんどで泣く泣く修理をあきらめてしまうお客様が多かったのを覚えています。
とくに夏になると汗をかきやすくなるだけでなく、全身がびしょびしょになるようなゲリラ豪雨が多くなってきます。そんな時期は腕時計を外したときにサッと全体を拭いておきましょう。
とにかくサビさせないことが大切!
ステンレスでもサビる?
ステンレスはサビにくい素材ですが、まったくサビないわけではありません。
素材表面に汚れや水分がずっと付着していると、酸素と結びついて形成される酸化被膜ができずにサビてしまうことがあります。
さびが発生する理由(SEIKO公式サイトより引用)
ステンレススチールの成分は鉄・クロム、ニッケルなどですが、この中のクロムが空気などに触れると、ステンレススチールの表面に極めて薄い被膜 (酸化被膜または不動被膜という) をつくり、これがさびの発生を防いでいます。しかし、汗や汚れなどによって酸素の供給が遮断されると、酸化被膜が壊れ、さびを招きます。本来、さびにくいステンレススチールがさびるのはこのためです。
出典:https://www.seikowatches.com/jp-ja
大切な腕時計をサビさせない方法は定期的に掃除をすること。
これだけでOK!
私が愛用している掃除グッズはこちら
腕時計の掃除に絶対に必要ってことではありませんが、私がおすすめしたいグッズを2つだけご紹介します。
まず一つめは「ブロアー」
時計をクロスで拭く前に全体をくまなくシュッシュッっと吹き払っておけば知らずに付いていた砂粒などで線キズをつける可能性も低くなるし、回転ベゼルやメタルブレスのスキマなど汚れを吹き飛ばすことで可動部分のケアにもなります。
私は写真も趣味にしているのでカメラ用のブロアーを時計掃除にも使っています。小ぶりなので握りやすく風量の調整もしやすく凄く便利。
もっと大風量なのもありますが、握りが大きく握力が必要になるし邪魔なのでおすすめしません。
これがイチオシ↓↓
2つめのおすすめは「時計専用クリーナー」
めちゃくちゃお気に入りの腕時計があって、いつまでも綺麗に愛用したいなら時計専用クリーナーがおすすめ。
ハッキリ言って時計専用のクリーナーはどれもちょっとお高いのですが、皮脂汚れなど油分のクモリがスッキリ取れるのがとにかく凄い!!
私が個人的に愛用している時計用クリーナーは「クリスタルガード・クロノアーマー」というモノ。
これはクリーナー兼コーティング剤というちょっと変わった商品で、クリーナーとしてだけでなく傷予防のコーティング効果もあるという優れもの。使えば使うほどミクロの被膜が形成されて腕時計の傷予防をしてくれるそうです。
とにかくクリーニング効果が凄く優秀!!
ただクロスで拭くだけとは仕上がりの光沢感がまったく違う。
とくに鏡面仕上げ部分はクロスで拭いても油分がある程度は残るのでヌルっとした感じがつきまとうのですが、クリスタルガード・クロノアーマーをつけて拭くだけで輝きが戻ってくるんです!
使い方はとても簡単でクロスに吹き付けて腕時計を拭くだけ。
それだけでボヤーっとした印象だった腕時計が、カキーンっとした硬質な雰囲気になるのが本当に気持ちいいー!!
これはクセになりますよw
そして傷予防に関しては、擦れたりぶつかったりしたときに付くような傷には効果があまりないようで…やっぱり普通に傷はついてしまっている。
しかし、知らず知らずのうちについてしまう目に見えないような小傷には効果があると個人的に感じています。
どれくらいの効果があるかハッキリ分かりませんが、新品の時からコーティングした時計は今でも光沢感が落ちていないので私は大満足♪
一本でかなりの回数のクリーニング&コーティングができるので、この商品が気になっているなら使ってみることをおすすめします。
ただし傷防止効果に過大な期待は禁物。
↓↓とにかく試してみて!

コピー用紙で汚れがスッキリとれる!
夏場になると「時計を外すと腕が黒く汚れている」って人もいるかと思います。
それはメタルブレスのスキマに皮脂汚れなどが溜まっていて、汗で落ちてくることが原因の場合が多くあります。
メタルブレスだけを超音波洗浄機や洗浄剤で洗うってことが簡単にできればいいのですが、時計本体に水がかからないように保護したり水分をしっかり拭き取ったりしないといけないので、ちょっと面倒だと思うひともいるのではないでしょうか。
おすすめはコピー用紙などでメタルブレスのスキマの汚れを拭き取っていく方法です。
コピー用紙をスキマにぎりぎり通るくらいに折って、スーッと通していくだけでスキマに付いた皮脂汚れなどを拭き取ることが可能。
これなら誰でもできるし用意もかたずけも簡単!テレビでも観ながらちょっと試してみてください。
想像以上に汚れがとれますよ!
あとがき
腕時計を長持ちさせるのにいちばん大切なのが拭き掃除をすることです。
日ごろのメンテなら拭き掃除だけで十分。
とにかく腕時計を外したときにホコリをはらってから皮脂汚れや汗を拭いておけば個人でできるメンテナンスとして完璧といっていいでしょう。
きれいな状態を保てば各パーツの劣化を防ぐだけでなく着用感の悪化を防ぐこともでき、お気に入りの腕時計を長く愛用できること間違いありません。
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